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筆子の愛を伝えていきたいです


by keikonowak

映画「氷雪の門」

映画「氷雪の門」をおとといシアターN渋谷で観ました。
1945年8月20日、樺太(現在ロシア領サハリン)で、
ソ連の侵攻作戦の中、9人の電話交換手の乙女たちは最後まで通信連絡を取り、
    結局自ら命を絶った真実の物語。
戦争は終わったはずなのに、何故彼女たちは死を選ばねばならなかったのか。

この映画が製作された1974年当時、日本では珍しくスケールの大きく、
製作実行予算が5億数千万を超えた超大作として話題を呼んでいたそうです。
ところが、1974年3月公開目前に、ソ連より抗議があり、配給会社が上映を自粛し、
日の目を見ることはありませんでした。

6年前の2004年に貴重なフィルムが発掘され、助監督として参加していた
新城卓氏が中心となり、映画「氷雪の門」上映実行委員会を結成。
監督・プロデューサーを初めメインスタッフのほとんどの人がもう亡くなっていて、
その人たちの思いを届けたいという思いもあり、上映委員会を結成。
フィルムをデジタル化し、上映活動を展開。作品に出会った多くの人の指示を受け、
36年前ソ連の圧力によって封印された幻の名作
    として、この夏劇場公開となりました。

名もない多くの人の自由を、小さな幸せを、そして貴重な命を奪った戦争。
その死を無駄にしないためにも、戦争の真実を知り、
    次の世代に伝えていかなければ
と思います。
  今もなお この地球上で戦いがあり多くの命が失われ、
           命の尊さ・平和の大切さを改めて思います。

7月初めに新聞に載ったこの映画の小さな紹介記事に目を留めたのは、
美術監督の木村威夫氏の名前。日本を代表する美術監督だそうです。
今年3月91歳で亡くなりましたが、生前自分の手がけた映画の中で、
公開されなかったすごい映画があると、この氷雪の門のことを話していたそうです。
少ない資料の中から樺太の街を作り上げた木村威夫の美術は圧巻・・と紹介されています。

実は映画「筆子その愛」の美術も木村氏が手がけたので、それで名前を知っていて、
   氷雪の門に興味を持ちました。
氷雪の門は9月3日まで、上映するそうです。
by keikonowak | 2010-08-28 23:55